ご挨拶

透析医療に関わる医師が協議し、連携が図れる組織へ

各透析医療施設の先生方におかれましては、災害医療や感染対策など、日頃から御協力いただき、改めて心より御礼申し上げます。

日本透析医会の沿革は、昭和54年4月15日に都道府県透析医会連合会として設立されました。その後、昭和60年6月15日に日本透析医会と改名され、昭和62年7月21日に社団法人、平成24年4月1日に現在の公益社団法人日本透析医会となりました。その後、各都道府県に支部として地域透析医会が次々と設立されました。
しかし、鳥取県は今まで、透析医療に関わる医師が協議しあい、連携が図れるような組織はありませんでした。ようやく、日本で46番目と遅ればせながら、鳥取県透析医会は令和4年6月に発足することができました。そしてこの度、初代の会長を私が拝命しました。会を設立できたのも、県内の各透析医療施設の皆様のおかげであります。この重責を全うしたいと思います。

地域の透析医療を継続していく

鳥取県は、最少人口県で、透析医も透析施設数も全国最少です。また東中西部の3医療圏域しかなく、それぞれがコンパクトにまとまり、面積や人口の割合から透析医療資源はほぼ均等といえます。幸いにも、透析医療施設間の顔が見える関係を構築しやすく、連携強化を進めやすいとも言えます。

過去に阪神大震災、東日本大震災など幾多の大災害を経験し、また、現在の新型コロナ感染症(COVID-19)の拡大による医療体制のひっ迫の最中ですが、大災害や感染拡大により透析医療は甚大な被害を受けてきました。今後も高い確率で起こる可能性があり、そのような状況下でも地域の透析医療を継続させていかなければなりません。

透析医療はライフラインへの依存度が高いことから、脆弱性を秘めており、透析医療施設間だけでは解決ができず、行政、基幹病院、医師会、患者会等と連携を構築していく必要があります。災害時透析医療活動マニュアルや透析時災害ネットワークの実効性が重要であり、平時より備えておく必要があります。
また、感染対策についても同様であります。
そのほか、透析療法の教育と普及を目的に、研究会や研修会を開催することにより、知識や技術をアップデートする機会の提供および人材育成も重要だと考えています。

鳥取県内の透析医療の発展に貢献する

今後は透析医会会員の相互関係を深め合いながら、行政、医師会、日本透析医会等とも連携して、県内の透析医療の発展に貢献していきたいと思います。そのためには、会員の皆様の透析医会活動への御協力と御理解が不可欠です。鳥取県透析医会役員は一丸となって、鳥取県の透析医療のために尽力する所存ですので、何卒宜しくお願い申し上げます。

令和4年12月
鳥取県透析医会会長 太田 匡彦